ひざの痛みは「小さな骨折」
変形性ひざ関節症の話。
巽先生の「100年足腰」を読んで。
軟骨の中には血管や神経がなく、軟骨そのものが壊れたり減ったりしても痛みはまったく感じない。
しかし、完全に軟骨がなくなり、骨と骨が直接当たるようになると、骨が割れます。骨の表面を覆う骨膜には毛細血管や神経があり、痛みを感じる。膝の痛みは、骨どうしが当たって割れる小さな骨折(微小骨折)で生じる。
軟骨が完全になくなる前でも微小骨折は起こり始める。有効な軟骨が残っているときに生じる膝の痛みは、半月板の損傷によることが多く、このころに適切なケアができれば、からだはまだ元の状態に戻ることが容易。たとえ元の状態に戻れないほど破壊されたとしても、完全に関節軟骨がなくなってしまった後でも、負荷がなくなり骨どうしが割れない状況になると、関節軟骨の代わりに線維軟骨をつくる。
痛み止めを飲んでも微小骨折は治らない。姿勢も歩き方も変わらない。すぐに「痛み」が再発する。
「痛み」などのトラブルが起こるのは、からだを正しく動かせていないからであり、正しくからだを使えていると、からだを支えるのに必要な筋肉の質と量は保たれる。つまり、からだに不調が起きているのは、「姿勢が悪く」「使い方が悪い」ということ。
からだを正しく使えていないから痛みが起き、それは「動きたくない」に直結する。「じつとしていたほうがラク」とばかりに、日常の運動量は減り、「体重が増える」「筋肉が減る」。するとさらに、膝の痛みが増す。悪循環が始まり、最終的に全身のバランスも崩れる。
年齢を重ねたらとくに意識したい4つの筋肉
・内転筋
・大腿四頭筋
・腹筋
・骨盤底筋群
当院では、痛みの対症療法も行いますが、原因を考え、根本的な治療を積極的にすすめます。
田中整形外科医院 院長 田中 秀