アイフレイル対策
アイフレイル(目のフレイル)を防ぐために大切なこと
アイフレイルは「加齢に伴って眼の脆弱性が増加することに、さまざまな外的・内的要因が加わることによって視機能が低下した状態、またそのリスクが高い状態」をいいます。
40歳を過ぎて視機能が低下してくると、最初のうちはたまに見えにくさや不快感を自覚する程度であっても、無意識のうちに読書や趣味、夜間の運転を控えたりするようになります。
より進行すると、昼間も自動車の運転が難しくなったり、仕事・家事などの日常生活に影響が出だしたりします。さらに視機能障害が高度になると、1人での外出が難しくなり、食事や服薬にも支障が出てきます。
加えて、アイフレイルは他のフレイルにも悪い影響を与えます。高齢者の視機能障害を引き起こす代表的な疾患である白内障は、フレイルの重症度、転倒、うつなどと関連することが報告されています。
代表的な疾患には老視、ドライアイ、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、白内障、緑内障などがあり、進行するまで自覚症状が乏しいことも多く、気づいたときには視力に大きな影響が出ている場合もあります。
そのため、自覚症状が現れる前からの予防が非常に重要です。特に以下のような内的要因や外的要因に注意を払うことが、目の健康を守る鍵となります。
・内的要因:高血糖や高血圧、脂質異常症などは、目の血管や神経に悪影響を及ぼし、網膜症や視神経障害の原因になります。
・外的要因:喫煙は血流を悪化させるだけでなく、酸化ストレスを増加させ、黄斑変性や白内障のリスクを高めます。紫外線も眼にとっては有害で、慢性的に浴び続けることで水晶体や網膜へのダメージが蓄積されます。
これらのリスク因子を早期から意識し、生活習慣を見直すことが、将来の視力低下や視覚障害を防ぐ第一歩になります。応援しています。
田中整形外科医院 院長 田中 秀