クリニック経営
僕流のクリニック経営
現在、福岡県田川郡川崎町で、整形外科を看板に地域密着型のクリニックを運営。
整形外科専門医であると同時に、抗加齢医学会専門医として「いつまでも動けるカラダづくり」をテーマに、治療と予防を両立する医療を実践。
⸻
地域クリニックの本当の役割
クリニックの役割は、単なる診察や薬の処方にとどまらない。腰痛や膝の痛み、日常的な不調の相談を受けながら、患者さん一人ひとりの暮らしに寄り添い、生活習慣や予防医療を提案していくことが求められる。
「地域の健康の受け皿」として、日常の中にある医療の役割を果たす存在です。
⸻
理念と現実のはざまで
しかし、現実の医療経営は厳しいものです。予防医療を普及させればさせるほど、病院の収入は減っていきます。薬や検査が売上の柱になっている今の保険制度の中では、「健康を増進するほど赤字になる」という、逆説的な状況が生まれてしまいます。
それでも僕は、「売り上げよりも信頼関係」「数字よりも理念」を大切にしたいと考えています。
⸻
信頼関係が経営に直結する
地域医療においては、「信頼の貯金」が何よりの資産。患者さんからの信頼、スタッフからの信頼、地域社会からの信頼。これらがあるからこそ、診療の幅が広がり、医療の質も向上し、結果的に経営も安定していきます。
⸻
具体的な取り組み:仕組みと教育
当院では、患者さんの満足度アップや理念を患者さんに伝える工夫を様々に行っています。
・診療フローの見直し(看護師による丁寧な問診、診察室2部屋制)
・待合室のテレビを取っ払い、サイネージで健康情報を流す
・予約システムで、待ち時間短縮
・ホームページ、SNSを定期的に更新
さらに、スタッフ教育にも力を入れています。
・毎週の勉強会
・外部講師を招いた定期研修
・部署ごとの新人受け入れ体制づくり
これらを通じて、知識とスキルだけでなく「思いやりあるケア」を提供できるチームを育てています。
⸻
地域とのつながりを深める
地域との関係性も大切にしています。
・地元での「整形外科カフェ」開催
・子ども向けの職業体験、フェス
・行政、薬局、介護、運動指導者との連携、飲み会🍺
医療の枠を超えて、地域の人々と顔の見える関係を築くこと。これが、地域医療の本質だと感じています。
⸻
これからの展望
今後は、メディカルフィットネスの導入など、より予防に特化した医療の形を追求していきたいと考えています。信頼に基づいた地域との絆を深めながら、医療と経営の両立を目指していきます!
売上ばかりを追うのではなく、「共に考え、共に動き、共に成長していく」。そんな医療を、これからも地域と共につくっていきたいと思います。
がんばるぞ!
田中整形外科医院 院長 田中 秀