ポリファーマシーは医師によって始まる
ポリファーマシーとは、複数・多種類の薬を飲んでいる状態をさす。欧米では5剤、わが国だは6剤以上の併用をポリファーマシーという。
薬物有害事象だけでなく、転倒・死亡・臓器の機能障害・フレイルなどの問題が起こるとされている。
こう聞くと、薬の数に目が向きがちだが、薬の「内容」が「数」に見合っているかがそれ以上に大切。
「薬が多い」=「悪」ではない
6種類以上は良くないからと必要な薬までやめてしまうのは本末転倒であり、薬の必要、不必要を検討した結果、薬の数も減ったというのが理想の形。
ポリファーマシーの解決策
①薬を全て書き出し、一覧にする
定期的な注射も含めて。
②薬の種類を分類する
胃薬が重複していたり、同じ効果のものがないか。
③飲んでいる理由を1剤ずつ明らかにする
「なんとなく」処方した場合は、薬を飲んで「なんとなく」の症状が消失したか、飲まなくても変わらないのか、患者さんにしっかり尋ね、フォローしていく。
④減薬してみる、反応をモニタリングする
中止や頓用変更など行い、その後の状態変化をチェックする。減薬により不調を訴えるようであればまだ減薬は難しい。一方で「なにも変わりなかった」という反応であれば、さらはる減薬を一緒に考えていくことができる。
「長生き」「多疾患併存状態」「多剤併用」がキーワード。ポリファーマシーは超高齢化社会においてみんなで考えるべき問題。
高齢者脂質異常症診療ガイドライン2017
後期高齢者(75歳以上)の高LDLコレステロール血症に対するスタチンなど脂質治療による一次予防効果は明らかではない。
高齢者高血圧診療ガイドライン2017
75歳以上では150/90mmHgを当初の目標とし、忍容性があれば140/90mmHg未満を降圧目標とする、などガイドラインを読む。
患者さんのヘルスリテラシーを確認する。
そしてだれがどこで減らすではなく、処方する医師みんながいつも減薬・中止を常に意識することが必要。
「ポリファーマシー解消に効く50のTips」を読んで、まとめてみました😊
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田中整形外科医院 院長 田中 秀