筋肉のアンチエイジング
【筋肉のアンチエイジング】
筋肉のアンチエイジングには、運動は必須。運動しなくても筋量が減らない薬が出たら、みんなに出したいくらい。
残念ながら、ない!今後も出ないと思う(たぶん)!
ほとんどの方が嫌がりますが、多くの病気の予防は“運動”です。
運動していないと、加齢とともに筋量や筋力は落ちていきます。
その筋トレの基本原理、原則について。
では、いきましょう!
【まず知っておきたい!筋トレ3つのルール(原理)】
1. ちょっとキツいくらいがちょうどいい
(過負荷の原理)
普段日常生活で体験しているよりも高い運動負荷をかけないと筋力は増大しない。
普段よりちょっと強い負荷をかけないと、筋肉は成長しない。
アンチエイジングとしては、「少しきつい」と感じるくらいがおすすめです。
15-20回がギリギリ繰り返せる負荷(最大筋力50-60%)として、それを15-20回行いましょう。
2. サボると元に戻っちゃう(可逆性の原理)
筋トレをやめると、筋肉や体力は少しずつ元通りになってしまいます。加齢とともに減っていきます。続けるのが大切です。
運動期間が長ければ、やめたときの筋力低下は緩やかですが、運動期間が短ければいったん増大した筋力の低下速度は速いです。
3. 鍛えたところが育つ(特異性の原理)
どんな運動をするかで、効果が出る場所や内容が変わります。低速度高強度のトレーニングを行っても動作の速度が速くなるとは限りません。
転倒しやすい方は、散歩だけではなく、バランス訓練が必須です。
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【もっと効果的に!筋トレ5つのコツ(原則)】
1. 全身をバランスよく動かそう(全面性の原則)
目的に応じた筋力の要素を向上させるために他の要素もある程度向上させなければなりません。腕やお腹だけでなく、背中や脚など全体をバランスよく鍛えるといいです。
2. 「ここを鍛えてる!」って意識しよう(意識性の原則)
鍛えている筋肉を意識しながら動かすと、効果がぐっと高まります。
3. 自分に合ったペースでやろう(個別性の原則)
無理に他の人と同じ運動をする必要はありません。自分の体力に合った内容でOK。
これを何回した方がいいですか?とよく質問を受けますが、ほんとに人それぞれで、答えが出せず、すみません。トレーニングしながらでないと、評価や計画はできないため、まずは運動を始めてみましょう。
4. 少しずつステップアップ(漸進性の原則)
慣れてきたら、少しずつ回数や重さを増やしていくことで、さらに筋肉が育ちます。からだは習慣に慣れていきます。いつまでも動けるからだは習慣で作れます!
5. コツコツ続けよう(反復性の原則)
続けることが一番の近道です。
トレーニング期間が長いほど、筋力維持期間も長くなります。トレーニングの効果を増大させるためにも継続が必要です。
⭐︎強度・反復回数
1回しか持ち上げれない重りの負荷を最大筋力100%とすると。
筋肥大や筋力増強目的なら、10回がやっとの負荷(最大筋力80%)を10回。
筋持久力を期待するなら、15-20回がやっとの負荷(最大筋力50%)を15-20回。
3-4セットがいいと思いますが、個人によって、決めていいと思います。
⭐︎休息時間
休息時間が30秒の場合、疲労により筋力の維持が困難になり、2セット目に発揮できる筋力が低下する。2分以上の休息により、1セット目と同じ筋力が発揮できる。一方、筋肥大に重要なホルモン、成長因子に注目すると、運動後60秒で最大となり、その後漸減する。すなわち、60-90秒が一般的な至適休息時間。
⭐︎筋トレの頻度
至適頻度は週に2-3回とする報告が多い。強度と同様に頻度を増やすことにより、筋中のタンパク質が利用される。このタンパク質合成能の限界がおよそ3回である。1回30分でもOK。鍛える部位を変えながら。
⭐︎有酸素運動の至適頻度
週3〜5回以上。ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなど、1回20〜60分が目安。
毎日でも問題ないが、強度を上げすぎないことが大切!
アンチエイジング的には、筋トレ週2回+有酸素週3〜4回が、最もバランスがよく続けやすいかと思われます。
【なぜ筋トレがアンチエイジングに必要か?】
1. 筋肉の老化(サルコペニア)を防げる
・年齢とともに筋肉量は自然に減っていきます(特に下半身)。
・適切な負荷と継続的なトレーニングは、この減少を防ぎ、いつまでも動ける体を維持します。
2. ホルモンや代謝が活性化
・筋トレは成長ホルモンやテストステロンを分泌させ、若々しさを保つ助けになります。
・代謝も上がり、太りにくい体質に。
3. 姿勢改善・見た目の若返り
・背中や体幹もバランスよく鍛えることで、姿勢が良くなり、見た目年齢が若返る。
4. 脳やメンタルにも良い
・継続的な運動は認知機能や気分の安定にも効果があります。
健康寿命を延ばし、“いつまでも動けるカラダづくり”を全力で応援しています!
田中整形外科医院 院長 田中 秀