糖化ストレスとは?
☝️ 糖化ストレスとは?
糖化ストレスとは?
― 体が「こげる」ことで起こる老化と病気 ―
最近、「糖化ストレス」という言葉を耳にすることが増えてきました。
糖化ストレスは、老化や生活習慣病の大きな原因のひとつと考えられています。
今回は、この糖化ストレスについてわかりやすく解説します。
糖化とは何か
糖化とは、
体内で余った糖がタンパク質と結びついてしまう反応です。
この反応によって「AGEs(終末糖化産物)」という物質が作られます。
AGEsは体の中で分解されにくく、少しずつ蓄積していきます。
この状態をまとめて
「糖化ストレス」
と呼びます。
よく例えられるのが「体のコゲ」です。
パンケーキの焼き目やカラメルのように、
糖とタンパク質が反応すると褐色になります。
同じ反応が
体内でもゆっくりと起きているのです。
糖化ストレスが体に与える影響
AGEsが体に蓄積すると、さまざまな変化が起こります。
① 血管が硬くなる
血管のタンパク質が糖化すると
血管が硬くなり、動脈硬化の原因になります。
② 肌の老化
コラーゲンが糖化すると
• シワ
• たるみ
• 黄ぐすみ
の原因になります。
③ 臓器機能の低下
AGEsの蓄積は
• 糖尿病合併症
• 認知症
• 腎障害
などと関連することが報告されています。
④ 整形外科疾患との関係
糖化ストレスは、骨や関節、腱などの運動器にも影響を与えます。
AGEsはコラーゲンを硬く変性させるため、
• 関節軟骨の劣化
• 腱や靭帯の柔軟性低下
• 骨の質の低下
を引き起こします。
その結果、次のような整形外科疾患との関連が指摘されています。
関節疾患
• 変形性膝関節症
• 変形性股関節症
腱・靭帯のトラブル
• 腱鞘炎
• 五十肩(肩関節周囲炎)
骨の問題
• 骨質の低下
• 骨粗鬆症による骨折リスク増加
特に糖尿病の方に
• 五十肩
• 腱障害
が多いことはよく知られており、
糖化ストレスが関係していると考えられています。
⑤ 筋肉の機能低下
糖化は筋肉にも影響し、
•筋力低下
• 疲れやすさ
• サルコペニア
の原因の一つになる可能性があります。
整形外科医としての視点
糖化ストレスは、
血管や臓器だけでなく、骨・関節・筋肉にも影響します。
つまり、
「動ける体」を守るためにも糖化対策が重要
なのです。
糖化ストレスが起きる主な原因
糖化ストレスを増やす大きな要因は次の通りです。
1. 血糖値の急上昇(血糖スパイク)
• 甘い飲み物
• 白米やパンなどの精製糖質
• 早食い
などにより、血糖値が急激に上がると糖化が進みます。
2. 運動不足
運動が少ないと糖が消費されず、
体内に余りやすくなります。
3. 加齢
AGEsは分解されにくいため、
年齢とともに蓄積していきます。
糖化ストレスの評価方法
当院では、糖化ストレスを次の検査で評価しています。
・HbA1c
過去1〜2か月の平均血糖を反映する指標
糖化の代表的マーカー
・1.5AG
食後高血糖(血糖スパイク)を反映
・HOMA-IR
インスリン抵抗性を評価
(糖代謝の状態)
・AGEリーダー
皮膚に蓄積したAGEsを測定する検査
これらを組み合わせることで
体の糖化状態を総合的に評価することができます。
糖化ストレスを減らす生活習慣
糖化ストレス対策で最も重要なのは
生活習慣の改善です。
ポイントは次の3つです。
① 血糖値を急激に上げない
• 食物繊維から食べる
• ゆっくり食べる
• 甘い飲み物を控える
② 運動習慣
運動は糖をエネルギーとして消費し
糖化を防ぎます。
③ 食後の軽い運動
食後10〜15分歩くだけでも
血糖スパイクを抑える効果があります。
老化の2大原因
「酸化」と「糖化」
老化の原因としてよく言われるのが
• 酸化ストレス
• 糖化ストレス
です。
この2つは
体の老化を加速させる大きな要因とされています。
まとめ
糖化ストレスとは
体の中で余った糖がタンパク質を傷つけ、老化や病気を進める状態
です。
特に重要なのは
• 血糖スパイクを防ぐ
• 運動習慣を持つ
• 生活習慣を整える
というシンプルなことです。
糖化ストレスをコントロールすることは
健康寿命を延ばすための重要なポイントになります。
田中整形外科医院 院長 田中 秀
