野球少年に多い肘離断性骨軟骨炎
[2024.08.11]
肘の離断性骨軟骨炎は、特に野球をしている子どもによく見られる肘の障害です。肘の関節には骨と軟骨があります。軟骨は、骨の表面をカバーして、骨同士が直接ぶつからないようにしている柔らかい組織です。
投球など肘に繰り返し負担がかかると、軟骨が少しずつダメージを受けてしまいます。その結果、軟骨の一部が弱くなり、最終的には骨からはがれてしまうことがあります。これが「離断性骨軟骨炎」です。
初期は症状がないことが多く、進行しても症状が軽度でプレー可能な例が多いのが特徴です。
障害発生のピークは小学生期にあります。
放置すると、軟骨が剥がれ、関節内で引っかかったり、関節が硬くなり、スポーツや日常生活に支障をきたしたりします。大人になると、変形性関節症のリスクが高まります。
超音波検査(エコー)を用いれば、比較的容易に肘離断性骨軟骨炎の有無を検出できるため、近年、野球検診が盛んに行われるようになっています。当院でもエコー検査は可能ですので、気になる方はお気軽にご相談ください😊
田中整形外科医院 院長 田中 秀