骨粗鬆症マネージャーによる院内研修を行いました
骨粗鬆症マネージャーによる「骨粗鬆症対策」についての院内研修を行いました。
骨粗しょう症は、骨折のあとも大切です
今回の研修では、骨粗しょう症は骨が弱くなる病気というイメージもありますが、実際には骨折によって生活が大きく変わってしまうことがあり、一生涯、治療が必要になるかもしれない病気である、という話がありました。
骨折は入院を伴うために、下肢の筋力が戻らず、寝たきり状態を継続しやすく、痛みや腫れなどにより身体活動が制限され、全身の体力やバランス感覚が低下します。
活動量の減少は、筋力の低下や認知症の進行を引き起こす恐れがあります。
ADLを維持・回復させるためのポイントとして、骨折は点で見るのではなく、その先を見据えて支えることが重要になります。
骨粗しょう症の患者さんは、骨折を治すだけでは不十分です。大切なのは、骨折を防ぐこと、生活機能を落とさないこと、治療を続けられることであることを学びました。
無理なく続けることが大切です
また、運動については、あまり意識を上げすぎず無理のない範囲で行うことが大切です。
高齢になると止まる力が弱まり転倒することもあります。
骨を支える筋肉をつける筋トレ、転ばない体、バランスという運動を3つ挙げて、できる運動をしてもらうことがいいのではないでしょうか、という内容でした。
治療を続けるための支えも大切です
治療継続や患者さんへの説明については、内服や注射が続けられているかを確認するだけでなく、飲み忘れや通院中断の背景にも目を向けながら、患者さんが安心して治療を続けられるよう丁寧に関わっていくことが大切であると学びました。
また、生活指導の面では、転倒しやすい生活環境がないかを確認し、居室内環境や履物、段差、夜間動線などにも気を配りながら、患者さんが毎日の生活を少しでも安全に過ごせるよう支えていくこと、そして無理のない運動や活動継続につなげていくことも大切である、という話がありました。
栄養指導としては、食事内容や食欲低下を確認し、カルシウム、タンパク質、ビタミンDを意識できているか、必要時は栄養指導相談につなげること。
また、骨折の早期発見として、背中や腰の痛みがないかを確認すること、身長低下や円背姿勢には注意し、いつの間にか骨折を見逃さないことも共有されました。
患者さんやご家族への関わりについて
患者・家族教育では、一度骨折をすると次の骨折が起こりやすいことを丁寧に説明し、治療は再骨折予防のために大切であることをお伝えしていくこと、また、ご家族にも見守りや環境調整の大切さをお伝えしながら、一緒に支えていくことが重要とのことでした。
また、必要時は介護サービス等につなげ、通院継続が難しい患者さんについても、無理なく治療を続けていただけるよう支援方法を一緒に考えていくことが大切だと話がありました。
骨粗しょう症は一生涯治療が必要なため、患者さんやご家族に対して、次の骨折予防がなぜ大切なのかを丁寧に説明し、不安に寄り添いながら、治療開始や治療継続を支える大切な役割を担っていく必要があることを共有しました。
医療職としてそれぞれの立場でできること
それぞれの役割として介入していただきたい、という話もありました。
まず医師が、継続可能な治療方針を決める中心的な役割を担い、レントゲン撮影や骨密度検査、採血検査、本人および家族の理解度などを含めた治療方針の検討を行います。
看護師は、疼痛評価と疼痛管理で、疼痛の程度をこまめに評価し、安静時と体動時の評価も一緒に行っていきます。
あとは、鎮痛薬の効果と副作用を観察すること、治療上の困難があれば医師に伝えることも大切です。
リハビリでは、骨を守ることと同時に、転ばない体を作ることが重要です。
運動療法による骨密度の維持、転倒予防のためのバランストレーニング、そして骨折連鎖の防止につなげていくこと、自宅でのリスクを軽減し、QOLを高めることで、再骨折予防が行われます。
事務職は、治療を中断させないための受診支援、受診日や検査日の案内、患者さんが安心できる院内環境づくり、相談対応など、患者さんが治療から離れないように支える縁の下の力持ちになってください、という話もありました。
また、次回受診時を忘れないように声かけなどを行ってください、という内容も共有されました。
このように、それぞれの職種にできることがあり、多職種で関わることで、患者さんの骨折予防と治療継続につながっていくことを学びました。
まとめ
最後に、
骨粗しょう症による骨折は、一回で終わる問題ではなく、その後の生活や次の骨折にもつながる大きな問題です。だからこそ、私たちは今ある骨折だけを見るのではなく、その先を見据えて関わることが必要です。
というまとめで研修を終えました。
今回の院内研修を通して、骨粗しょう症の患者さんを多職種で支えることの大切さについて、スタッフ全員で学ぶ機会となりました。
当院では、「骨粗しょう症による骨折をゼロに」を目標に、今後もスタッフ全員で知識を深め、患者さんの骨折予防と治療継続につなげていきたいと思います。
