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膝の水は抜くとクセになる?

[2026.01.26]

「膝の水って抜くとクセになるんですよね?」

整形外科外来で、何度も聞かれる質問です。

 

膝の水を抜くとクセになる?気になる疑問を徹底解説

 

結論から言うと、

 

👉 膝の水は、抜いたからクセになるわけではありません。
👉 クセになるように見える原因は、膝の中の炎症が続いているからです。

 

膝の「水」の正体とは?

膝にたまる水の正体は、関節液(滑液)です。

関節液は本来、

  • 関節の動きをなめらかにする
  • 軟骨に栄養を届ける
  • 衝撃を吸収する

という大切な役割を持っています。

しかし、膝の中で炎症が起こると、

 関節液が必要以上に増えてしまう

これが「膝に水がたまる」状態。

つまり、

☑︎ 水が原因 → ×
☑︎ 炎症が原因 → ○

 

なぜ「抜くとクセになる」と思われるのか?

膝の水を抜いたあと、また水がたまることがあります。
これが「クセになった」と誤解される理由です。

でも実際は、
・水を抜くだけでは、炎症はまだ残っている
・炎症が続く → また水がたまる

 

膝の水を抜くメリット

実は、膝の水を抜くことには医学的な意味があります。

  1. 痛みを和らげる

    関節内の圧力が下がり、痛みが軽減します。

  2. 関節の動きを改善する

    水が多いと、曲げ伸ばしがしづらくなります。

  3. 診断のヒントになる

    関節液の性状を見ることで、
    ・感染
    ・痛風
    などの鑑別が可能です。

つまり、

「抜く=悪」ではなく、必要な医療行為です。

 

本当に大切なのは「水を抜くかどうか」ではない

重要なのは、ここです。

問題は「なぜ炎症が起きているか?

 

膝に水がたまる原因

膝に水がたまる原因はさまざまです。

  • 変形性膝関節症(最多)
  • 半月板損傷
  • 靭帯損傷
  • リウマチ
  • 痛風偽痛風
  • 感染性関節炎
  • オーバーユース(使いすぎ)

つまり、

水は「結果」であって「原因」ではない。

ここを治療しない限り、水は何度でもたまります。

 

アンチエイジング的に見る「膝の水」

もう一歩踏み込んで考えてみましょう。

膝の炎症の背景には、

  • 筋力低下(特に大腿四頭筋)
  • 体重増加
  • 軟骨の老化
  • 慢性炎症(inflammaging)
  • 酸化ストレス
  • 糖化ストレス
  • 栄養不足(タンパク質・ビタミンDなど)

があります。

つまり、

膝の水は「老化のサイン」であることもある。

これは、
「膝だけ」の問題ではなく、
「身体全体」の問題。

 

膝の水の根本的な対策

膝の水に対する本質的な対策は、3つです。

  1. 必要なら水を抜く(対症療法)

    痛みが強い場合は、無理に我慢する必要はありません。

  2. 炎症を抑える(原因治療)

    • 薬物療法
    • 注射(ヒアルロン酸、ステロイドなど)
    • リハビリ
    • 生活習慣の改善
  3. 膝を「老化させない」身体づくり(根本治療)

    • 筋力トレーニング
    • 体重管理
    • 栄養(タンパク質・抗炎症栄養)
    • 睡眠
    • 運動習慣

ここまでやって初めて、

水がたまりにくい膝」になる。

 

まとめ

☑︎ 膝の水は、抜いたからクセになるわけではない。
☑︎ 本当の原因は「膝の炎症」。
☑︎ 大切なのは「水」ではなく「膝の中で何が起きているか」。

 

田中整形外科医院 院長 田中 秀

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